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    ナショナル・シアター・ライヴ 「フランケンシュタイン」 Bキャスト

    2014.11.10 Monday 02:04
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      先週に引き続き観て来ました〜☆
      今回はBバージョンです。
      Aバージョンは前回こちらにまとめました。

      今回は前回の感想に付け足す感じでまとめたつもりです。


      2014年11月9日(日) 18:45〜

      ヴィクター・フランケンシュタイン博士:ジョニー・リー・ミラー
      クリーチャー(被造物):ベネディクト・カンバーバッチ

      まず舞台設定がイギリスになる時に出て来る蒸気機関車の改造版みたいなものは、産業革命の機運を表しているのかなと思っていたので確認のため調べてみるとメアリー・シェリーによる出版が1818年で、産業革命は1760年〜1830年とあるので、これはそう考えていいのかなと思う。

      クリーチャーが地動説を「当たり前だ」と言い観客の笑いを誘うシーンについても調べてみた。
      古くはルネサンス期のレオナルド・ダ・ヴィンチやプラトンが「地球は動いている」と考えていたようだが、学説としてはコペルニクスが迫害を恐れ死の直前の1543年に著書で最初に検証し、ガリレオは地動説を唱えたために迫害を受けたまま1642年に亡くなり、やっとローマ教皇庁が1992年に地動説を承認したのだから確かに最新鋭の科学的思考を持った怪物・・・と考えると笑える。

      Wikipediaのフランケンシュタインについて眺めていたら興味深い箇所があった。

      フランケンシュタイン・コンプレックス
      創造主(キリスト教の“神”)に成り代わって人造人間やロボットといった被造物(=生命)を創造することへのあこがれと、さらにはその被造物によって創造主である人間が滅ぼされるのではないかという恐れが入り混じった複雑な感情・心理のこと。

      そしてそこからロボット工学三原則が生まれたそうだ → 人間への安全性、命令への服従、自己防衛を目的とする3つの原則。
      じゃあ「ターミネーター」などの着想の元になっているのはこの「フランケンシュタイン」だったりするのね〜なんて考えると面白い。


      無数の裸電球に関して。
      よくよく注意して見ると女性体を造ろうと決意を固めるヴィクター博士の上でも光っているので、興奮や閃きのようなモノにも反応していて、そしてやっぱり神の怒りはぼんやりと感じる。
      それはわたしの中のどこかに生命を操る事への不安があるからかもしれない。

      そういえば冒頭で監督が「科学の視点から見た創造主と人間、自然、愛について表現したかった」と教えてくれていた。(ちょっとウロ覚えで自信無い…間違っていないかな?)

      ヴィクター博士は試すように「愛とは何か」をクリーチャーに問いただすが、クリーチャーは迷うことなく自分の中の愛について語っていた。
      ずっと模倣を繰り返し、見た事体験した事を中心に成長したクリーチャーがいつ愛を知ったのかについて、今回分かった。彼は盲目の老教授の息子のお嫁さんに恋していたんだね。そうか。だからこっそり畑仕事や雑事も手伝ったし、拒絶された時の哀しみが絶大だったんだ。

      盲目の老教授の台詞で前回押さえそびれた印象深い台詞、今回は覚えておいた。
      「お前にも愛される権利がある。いつか愛する者が現れるだろう。」
      なんて素敵な人なんだろう。
      ああ、なんとか殺さずに仲を修復する手立てはなかったのか・・・

      そしてジュネーヴで博士と再会した時の押さえそびれた箇所は、上述の「フランケンシュタイン・コンプレックス」「ロボット工学三原則」を背負ったやり取りだったようだ。
      自分で造っておいて何様?って思うけど、暴走したロボットと考えると支配下に置いておかねばならないような気もするし・・・クリーチャーを自尊心のある人と思うか暴走した怪物と思うかで変わって来るところかもしれない。

      北極点問題もヒントになる事を言ってくれていたのに気付く。
      磁石の科学を解明するためにクリーチャーが北極点を目指していて、それを追う博士は途中で犬に死なれたりして瀕死状態・・・ってカンジなのかな?

      2回目を観て一番切ないと思ったのは、クリーチャーには名前が無いということ。
      名前を与えられるという事は、命を与えられるという事と同義だと思うので、これは本当に切ない。
      博士には母性も父性も無かったのかなぁ・・・



      役者さんの感想です。

      ジョニーのクリーチャーは赤ちゃんのように可愛かった。
      情動に突き動かされて動いているように見えるので、精神的にも未成熟で発達段階であるように見えた。
      特にエリザベスに対しては性欲の衝動があったような。← このけもの!

      バッチさんのクリーチャーはもう少し理性的に見えた。
      知的好奇心旺盛で純粋に学びたがっているように見えた。その分けもの度が低いというか(笑)
      エリザベスに対して本当に申し訳なさそうだった。← だったら止めて欲しかったw

      ジョニーの博士は本当に「愛」を理解出来ないヤツに見えた。
      何故だろう、彼の方が愛嬌があって物腰柔らかいのに。

      バッチさんの博士はエリザベスに問いただされたり迫られたりする度に動揺が見えて人間らしかった。
      彼自身はSHERLOCK役でのイメージなのかクールな印象があるのに。
      上流階級の装束はぴったりハマる人だよなぁって思う。← 萌え

      どちらも素晴らしい演技をされていて衝撃だった。
      喋り方から身体の動かし方まで研究され尽くしていて、これが役者かと頭が下がる。
      この作品に出合えたことを幸運だったと思う。





       

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      2015.01.16 Friday 02:04
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        Comment
        私も前回から観たかったナショナルシアター演劇の劇場番。レポを読むと観なかったことが悔やまれます。
        • Yam
        • 2014/11/14 8:27 PM
        Kindleでスクリプト出てるらしいです。
        内容が深いにも関わらず、英語としては簡単で分かりやすいと聞いたので、わたしも勉強用に欲しいなぁと思っているところです。

        何回かアンコール上映しているので、またアンコールあればいいですね!
        むしろDVDで売り出して欲しいです。









           

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